【旧館林市庁舎保存プロジェクト特設サイトを開設。2017年4月10日

菊竹清訓設計・旧館林市庁舎(1963年竣工)は貴重なモダニズム建築の傑作。
日本建築史上、重要な建築作品の保存プロジェクトを始めます。
城下町館林の中心的機能をもつ名建築を残さなくてはいけません。
貴重な館林の文化遺産を消滅させないためにも先手を打つ覚悟(註)です。

註)昨年2016年11月、菊竹作品の代表作「出雲大社庁の舎」(館林市庁舎の翌年1963年竣工)が経年劣化により解体されました。
建築学会賞を受賞し海外でも高い評価をうけた作品でした。このニュースを聞き、危機感をいだいたのです。旧・館林市庁舎(出雲と同年竣工)も手を施さないといけません。解体が決まる前に保存活動をすることが効果的です。先手必勝。

[経緯]
今年(2017)3月8日、足利高校館林地区OB会に出席。館林で設計事務所を営む藤井さんと話をしました。 菊竹清訓設計・旧市庁舎の話で盛り上がり、その場で保存活動を提案しました。
4月5日、中部公民館(元・館林市庁舎)へ出向く。すると新任の公民館館長がなんとOB会の幹事、S本さんでした。 S本さんと藤井さんは同級生とのこと、すぐに藤井さんを呼び出してくれました。
意気投合し建物の魅力と保存活動について話し合う・・・・・・OB会の連携はすばらしい。
(3月まで美園小校長のOBも館内にある教育研究会に勤務することになり、偶然会いました。OB活躍してます)

即、調査活動を開始し、4月10日に特設サイトを立ち上げました。

1963 年菊竹作品」
▲館林市庁舎の工事期間は1962年(昭和37年)7月から6月までの1年間。「出雲大社庁の舎」、「東光園」と重なっている。この時期、菊竹設計事務所の仕事量と密度がすごい。徹夜の連続だろう。パソコンがない、すべて手書きの時代だ。約10名のスタッフでこの仕事をなしえたエネルギーが素晴らしい。昭和の若い力、全開。
(写真クレジット・館林市庁舎/出雲大社は二川幸夫。国際会議場模型写真は川添建築写真事務所。東光園;村井修。茅ヶ崎は不明)

※コラム 
茅ヶ崎パシフィックホテル」正式名称はパシフィックパーク茅ヶ崎。(加山雄三が共同経営者) 私たち団塊世代にとってはあこがれでした。サザンの桑田佳祐も唄っている。(82年名曲「夏をあきらめて」)
1965年竣工で菊竹清訓の設計だ。菊竹清訓が提唱するメタボリズムを表現した建築であり、館林市庁舎の設計思想が高度に反映されている。1998年解体。(館林と茅ヶ崎が不思議な縁で繋がった)
1963年館林市庁舎。64年「出雲大社庁の舎」「東光園」65年「パシフィックパーク茅ヶ崎」・・・。若い菊竹清訓事務所のピークであった。館林市庁舎が若き菊竹清訓設計事務所絶頂期の作品だったのだ。
それにしても、菊竹氏に設計を依頼した館林市長・遠藤さんは偉かったですね。
(早稲田大学つながりという話をきいたことがある)

 私は2014年から2年間(2016年3月に道場を建てるまで)、旧市庁舎議会室(現中部公民館講堂)で空手教室を開催し歴史的な建物を使用させていただきました。
天井に交差する美しい天窓をながめ、半世紀前につくられた空間を楽しんでいました。ただ、雨の日には天窓から2、3箇所雨漏りがして修理の必要性が緊急の課題と思ってました。
 建物を実際に使ってみてさらに愛着がわきました。
この建物は館林の宝である。市民のシンボルになる。観光資源になる。・・・と確信しています。

旧館林市庁舎保存プロジェクト ▲館林市庁舎5階議会天井(美しい建築が館林にある)  撮影/デザイン:田中茂雄 

お城の再建活動と考え方は同じです。
歴史文化遺産を活用して館林を活性化させるのが目的。
しかも緊急性あり。築54年( 2017年現在)を迎え、老朽化もめだちます。
応援・支援していただける仲間を求めます。


【活動プラン】(概要)

1)旧館林庁舎の魅力を再発見して市民に伝える広報活動。
 ホームページ、展覧会、パネル展示。(多くの市民は全く無関心、廃墟あつかいかも)
2)建築業界関係者のアドバイス。docomomo (ドコモモ/国際的な団体)に登録申請。
 知識人の評価が必要。
 
(なんでも鑑定団方式です。識者の鑑定でがらくたと思われたモノが国宝級となれば、大切にする)
3)建築・旧館林庁舎の調査研究。
 資料の発掘と紹介。現況の調査と広報。
 (得意ジャンル。すでに資料収集中! 調査も開始。 発見もあいついでる。ワクワク)
4)建築設計士団体、建築業者団体による保守・修繕活動。美観維持。
 建築家がボランティアで保守診断。職人の技で丁寧に補修工事。(有料)
 
建物を使用する人達の愛着を高め、ブラシアップをめざす。
 竣工当時に近づける。入らないモノを置かない。整理整頓しよう。
5)旧館林市庁舎の新しい使い方提案
 ・疲弊したまちなかの振興拠点として。
 ・全国の建築科大学生へ教育施設として対応。(建築資料の用意、設計図の閲覧、セミナー開催


などなど、
活動状況を順次ホームページでアップします。


   【連絡先】館林城の再建をめざす会 田中茂雄

(2017年4月11日アップ)

【館林市庁舎の概況と活動プランを紹介した小冊子を制作!】(2017年6月13日)

小冊子表紙表4

(2017年6月18日アップ)


【菊竹清訓設計館林市庁舎「建築ガイド」完成!】(2017年9月1日)

市庁舎の建築的価値を広く知らしめるために、丁寧なガイドが必要だ。
4月から資料収集と調査を重ね、夏休みをまるまる費やして16ページ(A4サイズ)の冊子を完成させた。
500部印刷。全て自らのボランティア。(制作費をまかなうために寄付を受付中。)
         ●
冊子構成として、1963年9月号「建築」(青銅社発行)誌面。菊竹清訓特集をベースにして再構成。
※「建築」誌は館林市庁舎を16頁で紹介してある。
※同時期発行「新建築」誌(1963年9月号)でも紹介されているが6頁という少なさだ。
  誌面利用の許可を新建築社「新建築」編集長に求めたが、返事がない。スルーされたので諦める。
(発表後54年経っているので著作権は無いのだが・・・。)
※「建築」誌を発行した青銅社はすでに廃業している。権利の所在がない。
         ●
[寄付] (印刷費に充当いたしました)応援ありがとうございます。
◎荒島敏彦様  3万円 (一級建築士・住宅会社社長)
◎石村澄江様 10万円 (長澤理玄顕彰会・会長)
(2017年11月現在)

【ガイド内容】
菊竹清訓設計館林市庁舎ガイド
「建築」誌の特集記事に、独自調査と解説を加えて構成した。新しい情報として、
2017年の館林市庁舎の現況写真を掲載。巻末には、館林で見るべき建築のガイドを付け加えた。
是非見てもらいたい建築は、旧鷹匠町にあるジャズの名店「西の洞」。傑作「名護市庁舎」で建築学会賞を受賞したアトリエモビルの作品だ。他に華やかな館林の花街を伝える「二業見番」も素晴らしい。
※城下町館林に残る特徴ある建築をガイドマップで紹介してある。
(「城下町お散歩ガイド」中部公民館で「建築ガイド」とセットで配布。
歴史ある館林城下町を楽しんで欲しいと願っている。

【配布先】中部公民館(旧館林市庁舎)2階中部公民館事務室

※職員にお尋ね下さい
【お願い】
「建築ガイド」制作は調査・取材・資料収集。デザイン・印刷費など多大な時間と費用がかかっています。
行政からの支援は一切ありません。魅力的な館林の歴史文化を伝えたい一心で制作しました。
「菊竹清訓設計館林市庁舎保存プロジェクト」趣旨に賛同いただける方へ、
「建築ガイド」をお受け取りの際は大切に使っていただけると、制作者としてとても嬉しい。
本音としては 多少のカンパがもっと嬉しいし、大歓迎!!
初版500部という小部数なので増刷の資金にします。
(1冊あたり約1000円の原価がかかっているのですよ。)

館林城の再建をめざす会 会長 田中茂雄

(2017年9月12日アップ)

【NEWS 01】  「建築ガイド」が紹介されました。
(上毛新聞2017年9月25日発行 社会面)

上毛新聞紙面を紹介。( 社会面に大きく紹介された)。
館林支局S記者の原稿です。上手くまとめていただき感謝です。

6月に制作したA4サイズ4ページ「保存プロジェクト・企画書」では記事になりませんでしたが、建築ガイドを制作してようやく「旧館林市庁舎」が大きく紹介されました。
築54年の勇姿を県民へ届けることができて良かったです。
始めの一歩ですが、引き続きムーブメントを継続させなくてはいけません。
・建築ガイドパネル制作。
・イベント開催。(建築の紹介イベントを提案)

2016年9/25日上毛新聞▲新聞紙面(社会面、連載漫画のとなり、注目度高いスペースなのでありがたい。)

追記(10月1日):--------------------
マスコミの情報発信力は素晴らしい。新聞掲載後、中部公民館に多数の問い合わせがあった。
高崎など県内各所から「建築ガイド」の依頼があった。
今まで埋もれていた事実がマスコミの力で県内に広がった。「建築ガイド」を通して館林の文化遺産が周知できた。
苦労が報われるね!次に繋がる。

(2017/09/25アップ)

【10月6日・群馬県立前橋図書館から「建築ガイド」の依頼あり】

上毛新聞の発信力は素晴らしい。県立前橋図書館から一部保存用に、もう一部は閲覧用に「建築ガイド」を送って欲しいと電話があった。さっそく用意して発送。
用事がたまっていて疲れているが、発送。
(4年前に「館林城絵はがきセット」を県立前橋図書館から送って欲しいと頼まれて送ったが、感謝の返事がない。
届いたとの返事もない。やや残念な対応だった・・・。
それでも館林のアピールに繋がればと思うので、協力。

建築ガイド発送

県立図書館も利用者の誰かが新聞記事を持参し、「図書館で手配してよ!」と頼んだに違いない。
それそれでありがたいが、直接、館林中部公民館に問い合わせ、返信封筒に切手を貼って「建築ガイド」を求めて欲しい。
税金の無駄遣いをさせないように。(何人かの方々が実際にそうしている。高崎在住者他数名)
図書館職員に雑用を頼みすぎだと思う。

今回の資料送付では、可能ならば送料を負担して欲しいと文書でお願いした。
(何事も、お金がかかるし、時間がかるのだ。実際、かなりの時間とお金がかかっている。)

 県立前橋図書館で「建築ガイド」を閲覧される方、せめて感想メールを送って欲しい。
多くの反応が活動を続けるエネルギーになるのです
人を動かすのは気持ちが大切。

よろしくお願いします。  田中茂雄
(2017年10月7日アップ)
      ●
さっそく、県立前橋図書館から封書が届き、中に切手が同封されていた。
とても良い対応です。さすが群馬県民。
礼状もありました。
担当者のR木様ありがとうございました。
(2017年10月15日アップ)


【NEWS 02】「建築ガイド」が紹介されました。
(読売新聞2017年11月23日発行 群馬版)

取材後1月半経過し、ようやく読売新聞に記事が掲載されました。
太田支局N記者の原稿です。時間をかけただけの内容になっていて、情報も的確。
感謝です。
読売新聞2017年11月23日

掲載翌日、中部公民館へ挨拶にうかがう。新聞掲載があると中部公民館に電話が多数かかってくる。
いつも丁寧な電話対応をしていただけるスタッフへお礼の挨拶。
(手みやげは館林城下町・和菓子屋さん応援企画を実行してます)
中部公民館・S館長と楽しく話ができました。
掲載当日だけで50件を越える問い合わせがあり、「建築ガイド」も多数配布できました。
新聞の広報力に改めて感謝です。
(2017年11月25日アップ)

【NEWS 03】「市庁舎保存プロジェクト」の趣旨が丁寧に紹介された。
(上毛新聞2017年12月10日発行〜主張〜)

11月22日、上毛新聞館林支局・S記者のインタビューをうけました。
菊竹清訓設計館林市庁舎保存プロジェクトの趣旨と方法、プランをお話ししました。約1時間半も・・・。
菊竹清訓のこと担当の内井昭蔵のこと構造の松井源吾のこと、そしてグラフィックデザイナーの大先輩で巨匠・田中一光大先生のトイレピクトグラムのことなど・・・・。
建築史的にもグラフィックデザイン史的にもとても貴重であることを熱く語ってしまいました。
S記者が丁寧に文章をまとめてくれて、『主張』というコーナーに発表してくれました。
館林の魅力発見に力強いサポートをいただきました。
感謝いたします。ありがとうございました。
          ●
12月10日(日)掲載された記事を読みました。私が言いたかったことを理路整然にまとめてある。
新聞記者の文章はさすがですね。

20171210上毛新聞


(2017年12月10日アップ)

【NEWS 04】「旧館林市庁舎」群馬テレビの番組取材。
「ぐんまトリビア図鑑」毎週火曜日9時から15分)

番組に出演し建物のナビゲーターとして出演した。カメラの前でしゃべるのは難しい。
2月中旬に群テレスタッフと現地をロケハン。
その後台本が届き、15分の番組の構成を知ることに。
終始画面に登場することになる。
歴史から建築思想。外観から屋上、議会、フロアの構造、田中一光のサイン計画やトイレのピクトグラムなどを解説しなくてはいけない。台本にそってセリフを原稿としてまとめる。
また、言葉だけではうまく伝わらないので、ボードを各種用意することにした。
デザイナーなので可能だがそれでも原稿書きに2日、ボード制作に2日かかった。
台本と原稿▲台本と自作の原稿
解説パネル群▲解説に使用したボードパネル。パネルをデザインしプリント。厚さ5ミリのハレパネを使用した。
ボード▲竣工時の1963年の市庁舎南面。地面は池があるきれいな庭園。右は菊竹清訓の建築模型とイメージ図。

ぐんまトリビア図鑑

◎「菊竹建築 旧館林市庁舎」紹介は、4月10日(火曜日)午後9時〜15分間放送。観てください!

(2018年3月22日)

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