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【新年早々、東博で榊原康政の甲冑とご対面】
1月15日(日)。東京国立博物館

平成29年お正月。長谷川等伯の「松林図」のことが気になって東博へ。
(※ 国宝「松林図」は毎年正月にのみ公開される。)
初めて「松林図」を見にでかけたのは7〜8年前のお正月、客はほとんどいなくて、見放題・独占状態だった。贅沢な空間を満喫した。
等伯が描いた霧深い松林の中に入っていけたのだ・・・・。

今年の正月、幽玄の世界を味わいたくなり出かけた。
東博は自宅から30分。近い。10時前に到着し、迷わず国宝の間へ。
早朝なのにすでに混雑!! 公開最終日だったのだ。

人混みの中では幽玄の世界に入ることはできなかった。残念。
長谷川等伯は小説化(安部龍太郎「等伯」2012年刊。直木賞受賞)されたり、人気上昇。
混雑には理由がある 。 やはり良い物はみんなの支持を集めるね。

長谷川等伯「松林図」
▲撮影がOK だった。


今回は残念。 写真撮影OKなのは驚いた。(スマホで撮影)

このまま帰るのももったいないので、他の美術品も見ることに。
なにしろ東京国立博物館の収蔵品はどれも素晴らしい。

日本刀と甲冑のコーナーへ近づくと見覚えのある物が。
ラッキー、重要文化財の館林藩初代藩主・榊原康政公の冑甲だ。特別展示してあったのだ。
これも何かのお導きか、とにかく嬉しい。

数年前、東博の国宝アーカイブで榊原康政の甲冑(甲冑は2点、今回展示してあるものと、西洋の甲冑を再利用した南蛮胴と呼ばれるもの)写真をダウンロード。正面だけなので、側面と背面はわからなかった。
(背面の腰の部分にも前面の腹部に描いてある龍が施されてる。対になっていたとは。イイネ!)
写真では質感も不明。実物と対面した印象は、ピカピカの新品という感じ。
兜の鐵も革も漆も家紋の「源氏車」も光ってる。
一度も実践で使用してない感じ。どこも痛んでない。傷もない。儀礼用なのかも。
大切に手入れされ保管されてきたに違いない。420年前の時間を感じさせないほどの美品である。

館林に城が再建された暁には歴史博物館も開設し、収蔵品としてこの甲冑を飾りたい。(レプリカでもいいね)

【榊原康政 所用 黒糸威二枚胴具足(くろいとおどしにまいどうぐそく)】
榊原康政 具足 正面
▲正面から。遠方からみても特徴ある兜の意匠ですぐにわかった。
側面と背面をはじめて見ることができた。
榊原康政 具足 側面
▲展示された甲冑と描かれた康政像の甲冑は同じだが、肩と腕を守る「袖」が無いのでスリムな印象。
というか頼りなさそうに見える。そこが残念。
康政像
▲この絵は展示してない。甲冑と並べて展示してあれば良いと思うのだが・・。」東博さん。  

【酉年にちなんで伊東若沖の得意な家禽の屏風が特別展示されていた。】
若沖を実物でみると、やはり天才だ。巧すぎる。
おまけの画像をアップ 伊東若沖画