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歴史好きが読んで納得の経済の本

【水野和夫著「資本主義の終焉と歴史の危機」他】 
世界史の知識がマクロ経済の分析に役立つとは・・・。

2014年初夏。5月なのに夏日の連続。
冷房の効いた書店で目にとまった新書「資本主義の終焉と歴史の危機(集英社新書)」。手にとって立ち読み。
二つの興味深い図版があった。ひとつは「経済覇権国の金利の推移」(14,15P)と
「資本主義の構造の変化」(33P)。 歴史の知識が経済の発展とリンクしていたのだった。(あたりまえだが・・・)
立ち読みでは荷が重いので購入。それが読みやすく、面白い。

私たちの生活に深く繋がっている資本主義をあらためて考えるよい機会になった。
30代、40代の自分は新自由主義のシンパだったようです。それが50代になり還暦が近づくにつれ、
自己責任だの成果主義だのグローバル経済だの・・、居心地の悪さを感じてきました。座りが悪い感じ。
もっと違う経済もあるのではという気持ちになってきました。こうした気持ちは年齢のなせる技かもしれない。
残りの人生が有限であるとはっきりと分かる年齢になったということ。
あたりまえだが、人は死ぬときは手ぶら。大切な物は何も持って行けない。生まれたときも手ぶらだったのでしかたがないけれど。
そう思うと、過剰な蓄えというのは無用のことと思えてきた。
本書を読むと「西欧人は本質的にコレクティブ(蒐集)だ」という記述があった。過剰にモノをコレクションする。
お金が好きな人は過剰にお金を蒐集する。資本は過剰に資本を蒐集する。モノ効率的に蒐集し蓄えるには、資本主義が最も効率的だった。
反対に、欲しい物は他に贈与して初めて手に入れることができるという文化人類学の考え方に接したことが、 ここ数年、館林での活動の出発点になっている。結果はよくわからないが、現在のわたしは、お城の活動(館林の活性化のため)と空手の指導(こどもたちに強くなってほしい、優しくなって欲しいから)のふたつを人に贈与するという考えをためしています。

水野和夫の本

内容紹介をうまくできません。どうぞ本書を購入してお読み下さい。

                                             (2014年6月2日制作:田中茂雄)